* 時雨 (Shigure) / 4.9
J o b
* のんきな学生。一応、日本文学の道歩んでます。
O t h e r
* 見切り発車。放置プレイ。上等だぜ。おういぇいかもーん!・・・って訳じゃないけど。
そんな人間。
いないと思うけど。(アン)リンクフリーです。調子乗ってバナー作ってみた。直リンク推奨。
*URL
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この結果をどーこーする訳ではありません。
単なる時雨の興味本位なので、お気軽に投票してください。
ここを訪れた方々のコミュニケーションになればいいな・・・なんて。
梓の中の人がCD出すよー
超欲しい。マジ欲しい。だって、じゅんじゅんだもん。
だってポンチョだもん。ポンチョーヌだもん!
・・・・少しでも、創作の手助けに慣れれば幸いです。
ゆるいですが、規約なるものを。
□お願い
*ココに置いてあるお題は「Starry☆Sky」のために作ったものなので、それ以外の作品のための使用はご遠慮願います。
*一応、時雨がない頭絞って考えたものなので、自作発言はご遠慮願います。
*配布元表示・リンク・使用報告は強制ではありませんが、していただけると喜びます。それはもう、小躍りする勢いで。
(詳しくは下記で)
□配布元表示・リンク
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それでは、お題は右下「お題」の文字から。
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□現在のお題 (個数)
*春組5題 (1)
*東月錫也5題 (1)
*七海哉太5題 (1)
*土萌羊5題 (1)
※この記事は必要に応じて改ざんします。
*錫也SS*
頭を撫でれば、嬉しそうに。
手を繋げば、安心したように。
いつも変わらない笑顔を、俺に向けてくれる。
それが当たり前で、これからもそうだと思っていた。
そんな訳ないって、本当は分かっていたはずなのに。
「ちゃんと伝えられた?」
上級生との話しを終えた恋霄が、俺の声に視線を上げる。
俺を映すその瞳は、一瞬少しだけ驚いたように揺れて。
でも、すぐに安心したような笑みを浮かべた。
『恋霄が選んだ人なら、良いんじゃないか?』
何より恋霄の気持ちが1番だと、
『恋霄が本気で想うんなら、俺はそばで見守ってやるよ』
幼馴染ならそれくらい当然だと、
そう思って、言った言葉のはずなのに。
それに後悔している自分が今、ここにいた。
そしてまた――
「恋霄にいい人が見つかるまで守ってあげるから」
途端に後悔するような言葉を、言ってしまった。
それが丸っきり嘘な訳じゃない。
恋霄が泣くなら、その涙を拭ってやりたい。
恋霄が笑うなら、一緒に笑ってやりたい。
恋霄を、守ってやりたい。
ただ、それは"他の誰かが見つかるまで"なんて、期限付きなものじゃなくて。
ずっと、ずっと、俺の手で。
だけど、今それを言ってしまう訳にはいかない。
まだ、この笑顔を手放す訳には。
「・・・そろそろ帰ろうか?」
俺の言葉に頷いた恋霄と、他には誰もいない廊下を歩き出す。
「見つからなければいいのにな・・・・」
ボソッと呟いてしまった言葉。
でも、恋霄にははっきりと届いていなかったらしく、
「錫也、何か言った?」
そう首を傾げる。
別に?と誤魔化すように笑顔で返せば、恋霄は素直に納得した。
"いい人"なんて、見つからなければいい。
恋霄の涙を拭うのも、恋霄と一緒に笑うのも。
恋霄に笑顔を向けられるのも。
ずっと、俺だけがいい。
ずっと、俺が恋霄を守っていくから。
恋霄の隣に他の誰かがいる未来なんて、来なければいい。
そんな、自分に都合のいいことばかり願いながら。
俺は当たり前のように、他愛もない話で恋霄と笑い合った。
end.
*羊帰国ねつ造SS*
広い空港内に響く雑音。
私たちの周りを、何人もの人が行き交う。
横目に見ていたそれから視線を移し、目の前に立つ羊君を見つめた。
「もう、行っちゃうんだよね」
「・・・うん、時間だからね」
私の問いに、羊君が少しだけ眉を下げて頷く。
「寂しく、なっちゃうね・・・・」
「恋霄・・・」
思わず零れた言葉。
言わなければよかった、と錫也の嗜めるような声を聞いて思った。
1度錫也に向けた視線を戻すと、羊君は少し寂しげな顔をしている。
でも、彼はすぐに優しい笑みを浮かべた。
「大丈夫、離れたって恋霄のことは忘れないよ。錫也も・・・ついでに哉太もね」
「それは、俺たちも同じだよ」
「オイコラ羊!"ついで"ってなんだ、"ついで"って!」
今までと変わらない羊君の言葉で、一瞬暗くなった雰囲気が和らいだ。
それに安堵の息を吐いて、私も羊君の言葉に頷く。
「うん、そうだね。羊君のこと忘れたりなんかしないよ、絶対に」
それを聞いた羊君は、ふわりと笑ってくれた。
そして一歩、私に接近する。
「これは、一生の別れなんかじゃない。絶対また、ここに帰ってくるから」
「うん!」
「あぁ、待ってるよ、羊」
「しょうがねーからな、待っててやるよ」
私から、後ろに立つ錫也と哉太に視線を移した羊君。
どこか気恥かしそうだったけど、彼は確かに笑顔を浮かべていた。
そんな時、アナウンスが流れた。
羊君が乗る予定の便の搭乗案内のアナウンスが。
笑顔で見送るって決めてたのに、無意識のうちにまた表情が暗くなってしまったらしい。
そんな顔しないで、と羊君が頭を撫でてくれた。
「・・・恋霄」
「何?羊く・・・・っ」
下がっていた視線を上げて、返事をすると。
不意に、ギュっと引き寄せられる感触が私を襲う。
それが羊君に抱きしめられているからだと気付いたのは、背後の哉太が上げた叫び声を聞いた後だった。
「よ、う・・・君?どうしたの・・・?」
「Si la vraie intention.....」
耳に掛かる吐息に、肩が小さく跳ねた。
小さな声でささやかれる言葉。
コレは・・・フランス語・・・・・?
羊君が何を言っているのかは、聞き取れない。
その声は少し寂しげで、でも優しい声音をしていた。
ふっと背中に回っていた腕が解かれる。
そして、正面から私を見て羊君が再び口を開いた。
「恋霄は、僕の初恋だったよ」
日本語でハッキリとそう言われてしまい、少し恥ずかしくなる。
でも、もっと恥ずかしかったのは、羊君の唇が私の頬に触れたこと。
「あ゛ーー!!」
「よ、羊君・・・!?」
背後で再び声を上げる哉太や、驚きで自覚できるくらい顔を赤くしている私をよそに。
羊君は、どこか悪戯っぽく笑っていた。
「じゃあ、時間も迫ってきてるから、もう行くね」
時計で時刻を確認し、足元に置いてあった荷物を手に取る羊君。
戸惑いはまだあったけど、ちゃんと見送ろうと、私は彼の言葉に頷いた。
「羊君、行ってらっしゃい!」
その言葉に、羊君は一瞬キョトンと目を丸くする。
でも、すぐに彼は力強く頷いてくれて。
「行って来ます!」
大きく手を振って、旅立って行った。
「・・・・羊君、行っちゃったね」
彼を乗せた飛行機が飛び立つ姿を見上げながら、ポツリと呟く。
錫也と哉太もそれに相槌を打った。
「でも、大丈夫だよ。羊なら」
錫也の優しい言葉は力強さを持っていて、不安感が少し和らぐ。
「にしても、羊のヤツ・・・最後までやってくれるよな」
少しだけ口を尖らせて、ぼやく哉太。
何のことだろう、と思い返して、あっと気が付く。
先ほどの羊君の行動を思い出して、恥ずかしさで少しだけ顔が熱くなった。
「そう言えば、羊のヤツさっき何かお前の耳元で言ってなかったか?」
「う、うん。でも、フランス語だったから、内容は分かんなくて・・・」
錫也の言葉に答えると、それは気になるなと彼はが小さく笑った。
やっぱりちゃんと聞いておけばよかったかな、と呟いた私。
それまで何故かいじけ気味だった哉太は、そんな私に向かって口を開いた。
「んなもん、アイツが帰ってきた時に直接聞けばいいだろ?」
絶対帰ってくるって言ってたんだから、アイツなら意地でも帰ってくるだろ。
相変わらずどこかぶっきら棒だけど、哉太の言葉を頼もしく感じた。
「そうだね、羊君が帰ってきた時のお楽しみだよね」
そう呟いた私に、2人は優しく笑って頷いてくれた。
大丈夫。
例え離れても、私たちはずっと一緒だから。
もう一度、その言葉が羊君に届くように。
私は、穏やかな日差しを降らせる空を見上げた。
end.
*哉太視点SS*
青いだけの空なんて、なんか虚しい。
やっぱ、空には星がないとな・・・・
芝生の青臭い匂いを感じながら、そんなことを考えた。
手を伸ばしたところで、空に届くはずがない。
そんなことは分かってる。
でも、目の前に広がるそれが思ったよりもずっと遠くて。
改めて、届かないと思い知らされる。
そう言えば・・・と、傍らに置いてあったデジカメ越しに、空を覗いてみる。
当たり前だけど、余計に遠い。
シャッターを押して、淡い青を小さな画面に固定した。
「カメラで撮ったのもいいんだけどな・・・・」
思った通り。
写真にしたところで、空との距離は変わらない。
一部とは言え、手の中に収まっているのに。
どうしてこんなに遠いんだよ。
何度やったところで、結果は変わらないけど。
試しに、もう一度カメラを構えた。
するとそのとき、
「かーなーたっ!」
小さな画面に突然、見慣れた顔が現れた。
「ッ・・・!な、何だよ。恋霄かよ。・・・ったく、驚かせんなよな・・・・」
飛び起きて、改めて俺の名前を呼んだ顔を見上げる。
恋霄は腰に手を当てて、少しふくれっ面でまた口を開いた。
「"何だよ"じゃないでしょ?こんな所で授業サボって・・・」
またケンカでもしてるんじゃないかって、心配したんだから。
そう続けて、まるで子供に言い聞かせるように俺を見下ろす。
「俺は静かに昼寝してただけだ。んな顔すんなよ」
余計に可愛くなくなっちまうぞ?
いつものようにからかえば、
「哉太!"余計に"って何よ、"余計に"って!」
いつもの反応が返ってきて、飽きもしないやり取りを繰り返す。
「もう・・・・ケンカしてないなら、よかったけど。ちゃんと授業に出なきゃダメだよ?出席日数足りなくなっても、もう知らないんだからね」
「大丈夫だって、ちゃーんと計算してるから」
軽く返事をすれば、本当に知らないんだから、と呆れ気味の声が返ってきた。
恋霄の言わんとしてることは分かるけど、何だかその反応に悔しさを覚える。
「・・・んなことより、何か用でもあったんじゃねーの?」
今日の授業は、もうとっくに終わってる。
それなのにわざわざ俺を探しに来たってことは、何か用事があるはずだ。
話題を逸らすように伸びをしながら訊ねると。
そうだった、と何かを思い出したような呟きが聞こえた。
「羊君と小腹が空いたねって話してたら、錫也が食堂借りて3時のおやつに何か作ってくれるって言うの。だから、哉太も一緒に食べないかなって思って」
「マジでか!?」
「うん!だから、早く行こう?」
俺の声に頷いた恋霄は、芝生に座りこんでいる俺に向けて手を伸ばした。
分かってる。
差し出された手に他意がないことくらい。
俺を立ち上がらせるためだけのものだってことくらい。
でも、情けないことに。
それに触れるのを躊躇う自分がいた。
手を伸ばすことをためらう自分が、確かにいた。
「・・・哉太っ、早くってば!」
恋霄が痺れを切らせたらしく、少し口を尖らせて俺の腕を掴んだ。
「ぅお!お、オイ・・・!」
そんな力じゃ、無理に決まってるのに。
俺を立ち上がらせようと、小さな手がグッと腕を引っ張る。
「・・・ったく・・・痛ぇよ、バカ力」
グイグイと引っ張られ、俺は少しだけ重かった腰を上げる。
「バカ力とは何よ!大体、哉太が早くしないのが悪いんでしょ?」
ホントは、ちっとも痛くなんてなかった。
でも、恋霄に掴まれた部分が妙に熱くなったような気がして。
それを意識しないようにして、ついつい憎まれ口を叩いた。
恋霄はと言うと、俺の言葉で頬を膨らませて。
フンっと顔を背けて、先に食堂の方へと歩き出した。
1歩、また1歩と恋霄が離れてく。
さっきまで目の前にいた、恋霄が。
「っ・・・・か、哉太・・・?」
振り向いた恋霄が、驚いたように目をパチパチと瞬かせる。
でも、驚いたのは俺の方だ。
気付けば俺は恋霄を追いかけていて、その手は恋霄の手首を掴んでいた。
まるで、恋霄が俺から離れていかないように。
俺たちの距離を確かなものにするように。
「あ、っと・・・コレは、その・・・・・・お、お前が、俺の前を歩いてるからだ!!」
自分でも、訳の分からないことを言ったと思う。
だけど、「"恋霄が手の届かないところに行っちまうんじゃないか"って不安に思った」。
・・・なんて、まさか言えるはずない。
ましてや、自覚できるくらい赤くなった顔なんて見せられる訳がない。
だから、
「な・・・何よそれ!哉太ってば、訳分かんない!」
そんな声を背中で受け止めて、足早に食堂に向かう。
手を伸ばせば、ちゃんと届く。
掴まえられる。
ちゃんと近くにいるんだ。
「・・・・・あ゛ー、くそっ!」
たったそれだけのことが確かめられて、酷く安心してる自分が格好悪い。
それを何とか誤魔化したくて、手に持っていたデジカメに視線を落とす。
「・・・コレって・・・・」
小さな画面に映るのは、さっき俺を呼びに来た時の恋霄の顔。
突然覗き込まれて、驚いた拍子にシャッターを押していたらしい。
「ぷっ・・・・何だよ、この顔」
授業をサボった俺に、頬を膨らませて怒っているんだろうけど。
全然、覇気がない。
どちらかと言うと、間抜けな顔。
「ったく、可愛い顔しとけっつったのによぉ・・・」
まぁ、不意打ちだったから仕方ないか、と苦笑が浮かぶ。
いくら写真にして、手の中に収まってても。
それと俺の距離は変わらない。
でも、アイツは傍にいる。
手を伸ばせば届く距離に、恋霄はいるんだ。
そうは思いつつも、この写真を消す気にはなれない。
コレで、恋霄をからかってやるのも面白そうだから。
別に、恋霄と過ごした時間を一瞬でさえ忘れたくないとか、そんなんじゃない。
なんて言い訳を心の中で繰り返して。
俺は保存ボタンを少し乱暴に押した。
end.