* 時雨 (Shigure) / 4.9
J o b
* のんきな学生。一応、日本文学の道歩んでます。
O t h e r
* 見切り発車。放置プレイ。上等だぜ。おういぇいかもーん!・・・って訳じゃないけど。
そんな人間。
いないと思うけど。(アン)リンクフリーです。調子乗ってバナー作ってみた。直リンク推奨。
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この結果をどーこーする訳ではありません。
単なる時雨の興味本位なので、お気軽に投票してください。
ここを訪れた方々のコミュニケーションになればいいな・・・なんて。
梓の中の人がCD出すよー
超欲しい。マジ欲しい。だって、じゅんじゅんだもん。
だってポンチョだもん。ポンチョーヌだもん!
*羊帰国ねつ造SS*
広い空港内に響く雑音。
私たちの周りを、何人もの人が行き交う。
横目に見ていたそれから視線を移し、目の前に立つ羊君を見つめた。
「もう、行っちゃうんだよね」
「・・・うん、時間だからね」
私の問いに、羊君が少しだけ眉を下げて頷く。
「寂しく、なっちゃうね・・・・」
「恋霄・・・」
思わず零れた言葉。
言わなければよかった、と錫也の嗜めるような声を聞いて思った。
1度錫也に向けた視線を戻すと、羊君は少し寂しげな顔をしている。
でも、彼はすぐに優しい笑みを浮かべた。
「大丈夫、離れたって恋霄のことは忘れないよ。錫也も・・・ついでに哉太もね」
「それは、俺たちも同じだよ」
「オイコラ羊!"ついで"ってなんだ、"ついで"って!」
今までと変わらない羊君の言葉で、一瞬暗くなった雰囲気が和らいだ。
それに安堵の息を吐いて、私も羊君の言葉に頷く。
「うん、そうだね。羊君のこと忘れたりなんかしないよ、絶対に」
それを聞いた羊君は、ふわりと笑ってくれた。
そして一歩、私に接近する。
「これは、一生の別れなんかじゃない。絶対また、ここに帰ってくるから」
「うん!」
「あぁ、待ってるよ、羊」
「しょうがねーからな、待っててやるよ」
私から、後ろに立つ錫也と哉太に視線を移した羊君。
どこか気恥かしそうだったけど、彼は確かに笑顔を浮かべていた。
そんな時、アナウンスが流れた。
羊君が乗る予定の便の搭乗案内のアナウンスが。
笑顔で見送るって決めてたのに、無意識のうちにまた表情が暗くなってしまったらしい。
そんな顔しないで、と羊君が頭を撫でてくれた。
「・・・恋霄」
「何?羊く・・・・っ」
下がっていた視線を上げて、返事をすると。
不意に、ギュっと引き寄せられる感触が私を襲う。
それが羊君に抱きしめられているからだと気付いたのは、背後の哉太が上げた叫び声を聞いた後だった。
「よ、う・・・君?どうしたの・・・?」
「Si la vraie intention.....」
耳に掛かる吐息に、肩が小さく跳ねた。
小さな声でささやかれる言葉。
コレは・・・フランス語・・・・・?
羊君が何を言っているのかは、聞き取れない。
その声は少し寂しげで、でも優しい声音をしていた。
ふっと背中に回っていた腕が解かれる。
そして、正面から私を見て羊君が再び口を開いた。
「恋霄は、僕の初恋だったよ」
日本語でハッキリとそう言われてしまい、少し恥ずかしくなる。
でも、もっと恥ずかしかったのは、羊君の唇が私の頬に触れたこと。
「あ゛ーー!!」
「よ、羊君・・・!?」
背後で再び声を上げる哉太や、驚きで自覚できるくらい顔を赤くしている私をよそに。
羊君は、どこか悪戯っぽく笑っていた。
「じゃあ、時間も迫ってきてるから、もう行くね」
時計で時刻を確認し、足元に置いてあった荷物を手に取る羊君。
戸惑いはまだあったけど、ちゃんと見送ろうと、私は彼の言葉に頷いた。
「羊君、行ってらっしゃい!」
その言葉に、羊君は一瞬キョトンと目を丸くする。
でも、すぐに彼は力強く頷いてくれて。
「行って来ます!」
大きく手を振って、旅立って行った。
「・・・・羊君、行っちゃったね」
彼を乗せた飛行機が飛び立つ姿を見上げながら、ポツリと呟く。
錫也と哉太もそれに相槌を打った。
「でも、大丈夫だよ。羊なら」
錫也の優しい言葉は力強さを持っていて、不安感が少し和らぐ。
「にしても、羊のヤツ・・・最後までやってくれるよな」
少しだけ口を尖らせて、ぼやく哉太。
何のことだろう、と思い返して、あっと気が付く。
先ほどの羊君の行動を思い出して、恥ずかしさで少しだけ顔が熱くなった。
「そう言えば、羊のヤツさっき何かお前の耳元で言ってなかったか?」
「う、うん。でも、フランス語だったから、内容は分かんなくて・・・」
錫也の言葉に答えると、それは気になるなと彼はが小さく笑った。
やっぱりちゃんと聞いておけばよかったかな、と呟いた私。
それまで何故かいじけ気味だった哉太は、そんな私に向かって口を開いた。
「んなもん、アイツが帰ってきた時に直接聞けばいいだろ?」
絶対帰ってくるって言ってたんだから、アイツなら意地でも帰ってくるだろ。
相変わらずどこかぶっきら棒だけど、哉太の言葉を頼もしく感じた。
「そうだね、羊君が帰ってきた時のお楽しみだよね」
そう呟いた私に、2人は優しく笑って頷いてくれた。
大丈夫。
例え離れても、私たちはずっと一緒だから。
もう一度、その言葉が羊君に届くように。
私は、穏やかな日差しを降らせる空を見上げた。
end.
てな訳で、羊帰国偽装事件in空港。丸っきりのねつ造だよ。
多分、羊の帰国を受け入れて、応援しようと決心したあたりに思いついた話。
フランス語で語らせて、謎を残したまま去って行く羊が書きたかった。
まぁ羊なら、そんなことしないでちゃんと日本語で伝えると思うけど。・・・やってみたかったんだよ。
エンディング見る前に思いついた話なので、空港で見送りです。
だって、空港までついて行くって思ってたんだもん。
若干、思いついた時より後のネタが入ってる気がしてならない・・・・
あ、羊が囁いてた言葉として、
Si la vraie intention est dite, je ne veux pas partir de vous.
Je veux vous prendre en fait.
Mais c'est mon égoïsme.
Au-dessus tout, alors, que vous ne pouvez pas être rendus heureux.
Est-ce qu'il a dit auparavant?
Il a dit, "Seulement ses manques de la sensation sans manquer."
Je vous veux pour moi pour devenir heureux.
ってのを入れたかったけど、フランス語だらけでもな・・・と思って、最初だけしか書きませんでした。
日本語訳は、
本音を言うと、君と離れたくないんだ。
本当は、君を連れ去りたい。
でも、それは僕のエゴだから。
何より、それじゃ君を幸せにすることはできない。
前に言ったよね?
「自分の気持ちだけは見失わないでほしい」って。
僕は君に幸せになってほしいんだ。
てな感じです。
時雨は第二外国語で、教科書が1冊で済むからって理由でドイツ語選択してしまったので。
フランス語は、羊がゲーム内で言ってたのぐらいしか知りません。
だから、翻訳サイトさんの力に頼りました。
もっと堅苦しい日本語で翻訳したし、多分コピペして翻訳し直しても妙な日本語にしかなりませんよ。
翻訳って、そんなもんです←
しかもこの台詞さ、羊を恋愛対象として見てない程なんだよね。
本文から抜いたとは言え、はたしてこれを羊SSと表記していいものか・・・
悩んだけど、メインは羊だから・・・・いいか←